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A01 大型液体シンチレータ検出器でのニュートリノのマヨラナ性と世代数の研究 

研究目的:

「宇宙初期の物質粒子生成」や「軽いニュートリノの謎」といった宇宙・素粒子の大問題を究明する鍵となる「ニュートリノと反ニュートリノは同一粒子なのか?」という80年も前から未解決の問題を解決するため、唯一現実的と考えられている「ニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊(0ν2β)」の探索を行う。特別推進研究によって立ち上げ、現在世界最高感度であるKamLAND-Zenの拡張性を活かし、二重ベータ崩壊核を倍増させ極低放射能を追求することで、期間内に縮退構造をカバーする感度を世界に先駆けて達成し、期間終了時には逆階層構造に切り込む感度での観測を開始する。実績ある既存装置の活用で、優れたコストパフォーマンスで継続的に世界をリードし続け、0ν2β発見の一番乗りを目指す。並行して、逆階層構造をカバーする感度実現を目指した、汎用的かつ革新的な技術開発を実施する。逆階層構造をカバーすることで、例え0ν2βが未発見となっても多くの重要な知見を得ることができる。さらには、反ニュートリノ観測と共存できることも活かして研究の多様化を図り、着実に成果を生み出す。

 観測による成果は随時E01班にフィードバックし、素粒子理論モデルを検証するとともに、D01班との連携で、本研究で実現する極低放射能技術や環境を領域全体に還元し、他の計画研究からの成果も取り込むことで、相乗的な研究の進展を生み出し、宇宙の歴史の系統的理解につなげる。得られた成果はWEBや市民講座、報道発表で直接発信するほか、教育現場での活用、総括班と連携した研究会などで広くコミュニティーに発信する。

図1

研究計画:

 現在の濃縮キセノン量380kgから、800kg超に向けて段階的に増量し、感度向上を継続することで、0ν2β探索での世界的な競争で堅実にリードを続ける。380kgを使った観測はH27年度まで継続し、競合を引き離して縮退構想の大部分をカバーするマヨラナ有効質量80meVの感度を達成する。  観測期間中は、クリーン環境を整備して極低放射能ミニバルーンの製作を行うとともに、将来の高感度化に有効な、エネルギー分解能改善のための集光ミラー・高発光液体シンチレータ・高量子効率光電子増倍管の開発、ミニバルーンフィルム内や表面のα線検出によってバックグラウンド低減を行う発光フィルムの開発、複数の反応点を持つγ線を伴うバックグラウンドを除去するための高感度撮像装置の開発・試作を行う。

 外槽の水を抜くタンクの目視点検と同期させて、濃縮キセノンを800kg超まで内包できるサイズの極低放射能ミニバルーンを導入する。これにより、最小限の観測停止期間で0ν2βを探索する。H28年度から実施する観測では、期間内に縮退構造をカバーする感度60meVの達成を目指す。H30年度末には800kg超の濃縮キセノンを含む液体シンチレータで置換することでミニバルーンの再導入を省略し、5年で逆階層構造にきりこむ40meVの感度に到達する観測を開始する。

図2


メンバー:

  • 研究代表者:
    – 井上 邦雄 (東北大学ニュートリノ科学研究センター)
  • 連携研究者:
    – 清水 格 (東北大学ニュートリノ科学研究センター)
    – 丸藤 祐仁 (東北大学ニュートリノ科学研究センター)
    – 白井 淳平 (東北大学ニュートリノ科学研究センター)
    – 上島 孝太 (東北大学ニュートリノ科学研究センター)
    – 古賀 真之 (東北大学ニュートリノ科学研究センター)
    – 中村 健悟 (東北大学ニュートリノ科学研究センター)
    – 渡辺 寛子 (東北大学ニュートリノ科学研究センター)

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