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A02 48Caを用いたニュートリノのマヨラナ性と研究と超高分解能技術の開発 

研究目的 

 本研究計画では、ニュートリノのマヨラナ性検証を通して、「宇宙初期の物質粒子生成」や「軽い ニュートリノ質量」の謎を究明するため、48Ca 同位体によるニュートリノレス二重ベータ崩壊の研究を推進する。
 現在、136Xe 同位体を使用した実験(KamLAND-Zen 実験, EXO実験) が、ニュートリノ有効質量 約100 meV の世界最高感度で観測結果を公表し、世界をリードしている。76Ge や130Te 同位体を使 用した実験も観測を開始しており、激しい競争になっている。0 崩壊探索において同位体濃縮は、 バックグラウンドを増やさずに崩壊核を増やせる確実な方法である。先行する実験は、既に高濃縮 された、もしくは自然存在比が大きい同位体を使用しており効果はないが、低同位体比(0.19%) の 48Ca の場合は飛躍的な感度向上が期待できるため、濃縮方法の実用化に取り組む。一方で、48Ca 濃縮後に主要なバックグラウンドとなるニュートリノを伴う二重ベータ崩壊事象を除去するため、 高分解能蛍光熱量検出器の開発を行う。濃縮フッ化カルシウム(48CaF2) 結晶製造と蛍光熱量検出器 開発を成功させ、数meV 領域の感度でのニュートリノのマヨラナ性検証を視野に入れた、世界を リードする0 崩壊観測実験へと成長することを目指す。
 これまでに受けた研究費で、化学法を用いた48Ca の濃縮技術を確立した。難しいとされた48Ca 濃縮の実現は、48Ca のニュートリノレス二重ベータ崩壊測定の優位性を強くすることとなった。別の研究費では、CaF2 を用いて、0 崩壊測定に有効なバックグラウンドフリー測定を達成した。結果として、48Ca のニュートリノレス二重ベータ崩壊測定の世界最高感度を実現した。これらの研究成果は、二重ベータ崩壊の研究会をシリーズで主催したり、ウェブページを開設することで、成果の発信に努めている。

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研究計画

 本研究は、高感度0 崩壊測定のための3 つの項目:48Ca 濃縮・蛍光熱量検出器開発・二重ベー タ崩壊測定からなる。それぞれの研究計画を下記に示す。

  •  1. 48Ca 濃縮:大量泳動濃縮、48CaF2 結晶製造、高濃縮技術確立 これまでに開発した化学法による濃縮技術をもとに、濃度10 倍(2%) の48Ca 大量生産装置の 建設をする。並行して、濃縮48Ca を、CaF2 結晶に合成する技術を確立する。10 倍濃縮Ca の 生産量が10kg を越える研究期間4 年目後半に、実際に48CaF2 結晶を製造する。また、48Ca の濃縮度をさらにあげるための濃縮技術(レーザー濃縮等)を確立する。
  • 2. 蛍光熱量検出器開発:CaF2 結晶の熱量検出技術開発、蛍光熱量検出器性能評価 本新学術領域に参加する熱量検出器開発経験者の協力を得て、CaF2 結晶を熱量検出器として 開発する。エネルギー分解能評価の後、同検出器に蛍光読み出し機器を増設する。最終的に、 CaF2 結晶から熱量と蛍光を同時に検出することにより、バックグラウンド除去性能が極めて 良い(粒子弁別能力(99.9%) とエネルギー分解能(0.5%)) 検出器を構築する。このことにより、 環境放射線およびニュートリノを伴う二重ベータ崩壊事象による両バックグラウンドから解 放されたバックグラウンドフリー検出器を実証する。
  • 3.  二重ベータ崩壊測定:低バックグラウンド、48CaF2 の性能評価、二重ベータ崩壊測定 現有の二重ベータ崩壊測定装置CANDLES III(UG) のデータ収集システムをアップグレード し、バックグラウンド除去性能を増強する。二重ベータ崩壊測定を継続するとともに、研究期 間5 年目には、項目1 で生成する48CaF2 結晶を用いた二重ベータ崩壊測定を開始する。

メンバー

  • 研究代表者:
    – 岸本 忠史(大阪大学 核物理研究センター)
  • 連携研究者:
    – 能町 正治(大阪大学 核物理研究センター)
    – 玉川 洋一 (福井大学 工学研究科)
    – 小川 泉 (福井大学 工学研究科)
    – 硲 隆太 (大阪産業大学 人間環境学部)
    – 梅原 さおり (大阪大学 核物理研究センター)
    – 吉田 斉 (大阪大学 理学研究科)
    – 伏見 賢一 (徳島大学 大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研 究部)
    – 飯田 崇史 (大阪大学 核物理研究センター)
    – 中島 恭平 (大阪大学 核物理研究センター)

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