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D01 極低放射能技術による宇宙素粒子研究の高感度化 

研究目的

 ニュートリノのマヨラナ性や宇宙暗黒物質の探索などの実験においては一年に数個程度の極 めて稀な事象を精度よく測定する必要がある。一方でこれまで世界で開発されてきた超高感度 放射能検出器においてはウラン系列、トリウム系列、40K 他の放射性不純物による感度の劣化に 悩まされてきた。
 本研究計画では、ニュートリノ・宇宙暗黒物質を研究する検出器本体及び検出器の周辺物質 に含まれる放射性不純物の濃度をマイクロベクレル(10-6 /sec)レベルの高感度で計測し、ス クリーニングを行う。この研究の推進によって各種素材の基礎データを収集してデータベース を構築する。この成果によって計画研究の各項目(A~C)において開発する装置の高感度化に 資することを目的とする。
 これまでに国内の関連する研究者が緊密な議論を行い、高感度化にむけた技術と知識の共有 と連携を進めてきた。『極低バックグラウンド素粒子原子核研究懇談会』を開催し、全国の関連 研究者が80 名程度参集して将来計画について議論を進めている。上記懇談会のWEB サイトを 開設して成果の発信に努めている。
 これまでに受けた研究費によって、素材に含まれるU 系列並びにTh 系列の高感度測定法の 開発に成功し、水に含まれる222Rn について1 μBq/kg、NaI(Tl)結晶中のU、Th 系列について いずれも10 μBq/kg の高感度測定を行うことに成功した。検出器素材に含まれる放射性不純物 が上記のよう高純度を達成できたことは特筆に値する。
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 研究計画

 本研究の計画では以下の3テーマを主題にしてそれぞれ連携して取り組む。

  •  極微量放射性不純物の測定と除去 : マイクロベクレルという極めて稀な現象を高精度で測定し、更なる高純度を求めて系 統的な素材の高純度化を進める。放射性不純物の計測については超高感度ラドン検出器 による気体中・液体中の放射性物質計測、時系列分析及び信号波形分析による検出器本 体内部および周辺素材に含まれるU 系列、Th 系列並びに40K の濃度を計測する。 不純物除去についてはイオン交換法並びにスクリーニングによる材料の選定によって 1つずつ課題をクリアする形で純度の向上を進める。
  •  超高感度放射性物質スクリーニングシステムの構築:  スクリーニングシステムには、高感度の放射線検出器を周辺から飛来するγ線起因の バックグラウンドから遮蔽するため、高純度の銅および鉛を用いた遮蔽体を必要とする。 今後増大する、スクリーニング検査の要求増大に対応するため、高感度のシステムを構 築し専任の研究員を配置し、迅速な計測を可能にする。
  •  極低バックグラウンド素材データベース及び情報発信システムの構築: 上記活動によって得られた情報は貴重なノウハウの塊である。情報の厳重な管 理とともに適切な情報発信を行うためにデータベースを整備し、情報発信のためのサー バーシステムを構築する。

メンバー

  • 研究代表者:
    – 竹内 康雄(神戸大学 理学研究科)
  • 研究分担者:
    – 伏見 賢一(徳島大学 大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部)
    – 関谷 洋之 (東京大学 宇宙線研究所)
    – 竹田 敦 (東京大学 宇宙線研究所)
  • 連携研究者:
    – 金子 克美(信州大学 エキゾチック・ナノカーボンの創成と応用プロジェクト拠点)
    – 田阪 茂樹 (東京大学 宇宙線研究所)
    – 井上 睦夫 (金沢大学 環日本海域研究センター)
    – 松原 正也 (岐阜大学 総合情報メディアセンター)
    – 硲 隆太 (大阪産業大学 人間環境学部)
    – 嶋 達志 (大阪大学 核物理研究センター)
    – 池田 晴雄 (東北大学 理学(系)研究科(研究院))
    – Lluis Marti Magro (東京大学 カブリ数物連携宇宙研究機構)
    – 小林 兼好 (東京大学 宇宙線研究所)
    – 梅原 さおり (大阪大学 核物理研究センター)

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