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E01 物質粒子の起源と宇宙進化の解明 

研究目的 

 ヒッグス粒子がLHC実験で発見された現在、素粒子の標準理論はほぼ確立したと言える。しかし自然界には標準理論では説明するのが困難な現象が数多くあり、標準理論を超える物理は必ずあると思われる。本理論研究計画では、I. 小さいニュートリノ質量、II. 宇宙のバリオン数非対称性、III. 宇宙の暗黒物質の3つの現象を素粒子の標準理論を超える理論の重要なヒントであると考える。本領域研究内で施行される実験および観測の結果を踏まえて、標準理論を超える新しい理論を構築すること及び、それを将来の実験や観測で検証する方法を考案することを本計画の目標とする。

 研究代表者の柳田は、上記I. II. の基礎となる2つの業績、Seesaw機構とLeptogenesis機構の生みの親であり、現在もこの分野で多くの研究業績を挙げている。これらの理論の中心に存在する右巻きニュートリノを理論研究の基礎に置いたことが本研究の大きな特色であり、独創的な点である。

 本研究が挑むI.~III. の謎に関しては代表者・分担者・連携者の全員が、素粒子模型・初期宇宙論・直接/間接探索・コライダーでの検証といった多様な角度から研究を行い数多くの業績を挙げている。メンバー間の共同研究の経験も十分である。物質粒子の起源と宇宙進化の解明に挑む最強の理論チームと言って良いメンバーを研究分担者・連携者に揃え、領域内のA, B, C班と密接な連携をはかることによって、新たな素粒子・宇宙像に迫る研究を行う。メンバーによるアウトリーチの実績も多く、研究成果の情報発信にも全く問題はない。これまでに研究代表者はLHCに基づく新たな素粒子宇宙像の構築に関する科研費(基盤A)をはじめ多くの研究費を受けており、ヒッグス発見後の超対称性模型の構築など多くの重要な成果をあげている。

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研究計画:

 I. 小さいニュートリノ質量、II. 宇宙のバリオン数非対称性、III. 宇宙の暗黒物質、の3つを足がかりとして新たな素粒子模型・宇宙像の構築を目指す。以下に、具体的な研究計画をいくつかあげる。 [a] 重い右巻きニュートリノと超対称性模型([a-1] 熱的Leptogenesisと無矛盾な超対称性標準模型の構築, [a-2] 超対称性理論における熱的Leptogenesisの精密化, [a-3] インフレーションへの応用, [a-4] ニュートラリーノ暗黒物質の再検証)、[b] 輻射Seesaw機構による統一的な素粒子模型・宇宙論シナリオの構築、 [c] Asymmetric Dark Matter (ADM) の検証、[d] 軽い暗黒物質および暗黒輻射、[e] 太陽系付近での暗黒物質分布の評価。上記のように代表者・分担者・連携者が有機的な共同研究のネットワークを構築し、効率よく研究を遂行する。また各素粒子模型・宇宙シナリオに基づいてA班のマヨラナ性検証実験やB班の暗黒物質探索実験に対する予言を行う。さらに実験・観測と直接関係する研究テーマも考えており、例えば上記の計画[e]では、暗黒物質の直接探索実験において非常に重要なインプットである暗黒物質の太陽系付近の分布(質量密度と速度分布)の正確な評価を試みる。
    研究期間後半では、本領域研究内のA, B, C班で施行される実験・観測や13〜14TeVで再開が予定されているLHC実験の結果を随時本研究計画の理論研究に反映させ、国際的な競争の中でタイムリーかつインパクトのある研究成果を発信する。


メンバー

  • 研究代表者:
    – 柳田 勉(東京大学 カブリ数物連携宇宙研究機構)
  • 研究分担者:
    – 末松 大二郎(金沢大学 数物科学系)
    – 松本 重貴(東京大学 カブリ数物連携宇宙研究機構)
    – 中山 和則(東京大学 理学系研究科)
    – 濱口 幸一(東京大学 理学系研究科)
  • 連携研究者:
    – 伊部 昌宏(東京大学 宇宙線研究所)

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