KamLAND/KamLAND-Zen 大改造の開始

反電子ニュートリノ検出器KamLANDは2002年からデータ取得を開始し、原子炉ニュートリノ欠損現象の発見、地球ニュートリノ検出器によるニュートリノ地球科学の創出、低エネルギー太陽ニュートリノの観測、天体起源ニュートリノの探索などで成果を上げてきました。2011年以降は物質優勢宇宙の謎と軽いニュートリノ質量の謎の解明を目指した136Xeのニュートリノを放出しない二重ベータ崩壊探索(KamLAND-Zen)実験を開始しました。世界に先駆けて発見の期待できるパラメータ領域での探索に成功しています。


外部検出器で作業する若手研究者と学生


KamLAND/KamLAND-Zenは今後も世界をリードする研究を推進するために、大改造をすることにしました。2024年5月までに136Xeを回収し、8月末にデータ取得を終えました[1]。9月にKamLANDの外部検出器の水抜きを行いました。写真は外部検出器で作業する若手研究者と学生です。外部検出器に設置した光電子増倍管の養生作業をしている様子です。大きな白い球形がKamLANDの液体シンチレータ等を蓄えていた3000m3のタンクの一部です。現在は、KamLANDの3000m3のタンク内部の液体シンチレータを排出する作業を進めています。

[1] 東北大学ニュートリノ科学研究センター ニュース「KamLAND2実験の開始に向け、22年にわたるKamLAND実験のデータ取得を終了しました」
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著者

石徹白晃治
計画研究A01代表 東北大学准教授
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