文部科学省 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型) 領域番号 6105 Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas

地下から解き明かす宇宙の歴史と物質の進化

計画研究 A02 48Caを用いたニュートリノマヨラナ性の研究と次世代高感度化技術開発

 粒子・反粒子の転換可能性(粒子のマヨラナ性)は、0ν2β測定によってのみ現実的な検証が可能であり、物質優勢宇宙の謎解明への重要なキーである。

 本計画研究は、本領域で発展させる低バックグラウンド技術(計画研究 D01)を元にした 48Ca 二重ベータ崩壊測定を行うとともに、さらに新しく低温技術(計画研究 D02)を取り込んだ次世代二重ベータ崩壊測定装置の開発を推進する。結果として、逆階層領域マヨラナ性検証(計画研究 A01)の高感度二重ベータ崩壊測定を引き継ぐ、順階層領域でのマヨラナ性検証開始に向けた測定技術開発を進める。

 この0ν2β探索および次世代装置開発のために、3つの研究、1)高純度 CaF2 結晶を用いた低バックグラウンド装置による二重ベータ崩壊の測定、2) 48Ca 濃縮技術確立、3)紫外光発光の CaF2 蛍光熱量検出器開発、を下記の通り行う。

1)計画研究 D01 と協力し、高純度 CaF2 結晶製造技術を確立する。この高純度結晶を用いた探索で、48Ca の0ν2β探索最高感度を更新する。

2) 48Ca は低バックグラウンド化に有利な高い Q 値を有しており、その優位性を最大限生かすべく、48Ca の濃縮を異分野(原子力工学・光工学)と協働したレーザー技術によって確立する。

3)計画研究 D01 と協力した低放射能化の後は、ニュートリノを放出する二重ベータ崩壊(2ν2β)が最後のバックグラウンドとなるが、低温技術(計画研究 D02)を使った蛍光熱量検出技術によって、その影響をなくすことができる。CaF2 の紫外発光を利用して蛍光熱量検出器を実現する。

以上により、順階層領域でのニュートリノのマヨラナ性検証開始に向けた測定技術を確立する。

メンバー

[代表]

梅原さおり Saori, UMEHARA
大阪大学 准教授 原子核素粒子実験
統括及び二重ベータ崩壊測定

[分担]
小川泉 Izumi, OGAWA
福井大学 准教授 原子核素粒子実験
48Ca 濃縮生産

仁木秀明 Hideaki, NIKI
大阪大学 共同研究員 レーザー同位体分離
レーザー法による48Ca 濃縮

宮永憲明 Noriaki, MIYANAGA
レーザー技術総合研究所 特別研究員 高出力レーザー工学
青色高出力レーザー開発
パンフレット[PDF]

はじめに

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